手打ちそばと機械製麺
   ~そばの打ち方の違い

おいしいそばは、原料のそば粉の善し悪しに加えて、麺を作るそば打ちの方法によっても、香り・喉ごし・見栄え・食感(かたさ他)が左右されます。

そばの麺作り、「そば打ち」は、こねて、鍛えて、延ばして、切るという方法でなされます。

手打ちで作る場合も実にシンプルな方法によってなされますが、シンプルなだけに、そばの風味たっぷり漂うそばを作るには、奥深いものがあります。 「こねて、鍛えて、延ばして、切る」だけの作業が、仕上がりの味に大きく影響を与えることになります。
そばは、その製法によって、大きく手打ちと機械打ちに分けることが出来ます。

■手打ちによる方法(手打ちそば)
手打ちそばは、手作りで製麺されるそばを言います。機械などない当時はもちろんすべて手打ちでした。難しいとされるそば作りの全行程を人の手で行っていました。

熟練した技がないとボソボソしたそばになってしまい、喉越しや食感のいい「そば切り」を作ることは、大変難しいこととされています。
手打ちでそばを打つには技術が必要で、こうしたそば打ちの習得した人をそば職人と呼んでいます。

最近は、団塊世代を中心に、そば打ちを1つの技術として捉え、よいそばを打つことを趣味で行う人たちも増えてきています。そうしたブームの中で、各地で「そば打ち名人の段位認定」なども行われています。

■機械を使った方法(機械麺)
機械がなかった江戸時代には、そばの麺作りは、すべて手打ちで行なわれていました。しかし、手打ちそばは、全工程を人の手で行うため、1日に作れる量に限りがあります。そこで現在はほとんどのそばが、一部あるいは全工程を機械で製造されています。手打ちのの専門店を除けば、「こねて(ミキシング)、鍛えて、延ばして、切って」・・というそば打ちの工程を、ほとんど機械が行うようになっています。

そばの麺を出している店やメーカーでは、1台で全工程を行なっている場合もあります。また、いくつか機械を組み合わせて、全工程を機械で行っている場合もあります。
また、店によっては、手でそば打ちを行いながら、一部を機械に任せる場合もあります。

○手打ち風機械を使う方法:最近では、手打ちの仕上がりに近付け、手打ちのように仕上げる機械も少なくありません。
そば粉をねる作業はミキサーによってまとめられますが、そこから先の作業は、この「手打ち風機械」によって行います。「手打ち風」というように、人間が手で行う手打ちの工程を、機械がそのまま人間の手に代わって麺棒を使って行うしくみになっています。
人間が麺棒を使って手で行う「丸のし」から、「角だし」、麺棒に巻き付けての「本のしま」で、正確に機械が再現してくれるようになっています。
最近の機械では、強い力で延ばし過ぎて、表面に水が浮いてテカテカと光る現象も起こすこともなく、多少柔らかい生地でも、きちんと麺に仕上げられるようになっています。

一般的に機械製麺は、加水の少ないことと一定方向へのロール圧延からなり、手打ちに比べて、麺も硬めになります。当然茹で時間も、手打ちに比べて長くなるのが普通でしたが、こうした機械生麺の欠点も機械によってはほとんど解消されています。

「手打ち風機械」は、そばの生地は、きれいに四角に伸ばされ、ほぼすべてが、そのまま畳んでカッターにかけられます。手打ちと違い、練った生地に無駄が出ることもなく、きれいに揃い、しっかりと角立ちした麺になります。
最近では、このタイプの製麺機を使った「こだわりそば店」もできています。

○押出機による方法:「押出機」は、練り上げた生地を、均等な穴から押し出す機械です。
家庭用の押し出しだけの機械は、「ねって(ミキシング)、鍛えて、延ばす」作業をしっかり手で行なってからでないと、当然のことながら、おいしく、きれいなそばはできません。
「押出機」を使うことにより、手で切るのと違い、太さだけは均一の「そば切り」になりますが、この手前の作業が足りないと、長さが切れ切れのそばになってしまい、食感もボソボソになってしまう場合もあります。

最近の業務用の押出機の中には、ミキサーと一体になり、投入口からそば粉を入れるだけで、「練り→延ばし→押出し」までを行うことができる機械も出ています。
手打ちとほぼ同じ加水率で行えることから、茹で時間も手打ちの場合とほぼ同じになっています。押出し専用のモーターを使った高圧力による押出しで、しっかりと繋がったコシのある十割そばができるようになっています。