ほとんどは中国産~

80%は海外からの輸入

そばというとわが国の固有の食材料と思いがちですが、固有なのは食べ方であって、そばは世界各地で、実にさまざまの料理に用いられ、食べられています。
ロシアやウクライナではカーシャといわれるそば粥やパンケーキの、インドやネパールではロティの、チャパティやナンの、フランスではガレットの、それぞれ材料として使われています。

特にロシアは世界一のそばの生産国で、普段の生活の中でもよくそばが食べられていると言われています。何種類ものそばの抜き実(殻を除去した実)が並んでいる食料品店もあれば、毎日1回はそばを使った料理を出すホテルもあるそうです。
また隣のウクナイナも、そばの生産量、消費量ともに多い国となっています。

中国は、世界のそば粉の約65%を生産している国とされ、そば粉を使った料理もいくつかあります。
韓国でも冷麺にそば粉が使われているのは有名な話です。

また、オーストラリアでも1988年からソバの商業栽培が行われ、日本でそばが不作だった年には、翌年日本で使うそばの種子も、この国で生産してきました。

このほかにも、そばはモンゴル、ブータン、南アフリカなど、世界約30カ国で生産され、消費されています。最近ではミャンマーやラオスなどでもそばの栽培が行なわれています。

現在日本におけるそばの需要は、年間15万t(トン)前後と言われています。
そばを日本固有の食材と思い、すべて国産と思っていた人もいらっしゃるかもしれませんが、実は日本のそばの自給率は20%強と言われています。
日本で消費されているそば粉は、何とその約80%は、海外からの輸入に依存していることになります。

輸入先はだんとつで中国が多く、ほかアメリカ、カナダによって、そばの全輸入量の98%を賄っています。残り2%は、その年々において、オーストラリア、ニュージーランド、ミャンマー、モンゴル、ロシア、ブラジル、ウクライナ、ラトビアのいずれかの国から輸入しています。

画像の説明

日本におけるそばの輸入国の割合 平成22年(2010年) 

日本においてそばの輸入は、戦後昭和27年(1952年)に南アフリカから開始され、その後1963年には日中覚書貿易により中国からのそばの輸入が始まり、順調に拡大してきました。2009年(平成21年)の玄そばの輸入実績は59,649tで、そのうち中国が43,654t(73.2%)、ついでアメリカが15,219t(25.5%)となっていて、この両国で98.7%を占めていました。ちなみに抜き実については、輸入実績31,235t(玄そば換算で41,154t)とされています。

わたしたちがスーパーで買っていたそばや、近くのおそば屋さんで食べていたそばも、実は中国産であった可能性も大いにあるというものです。

そんななかで、2010年、ロシアでは観測史上最悪とされる猛暑と干ばつに見舞われ、穀物全般が大幅な減収となりました。一方オーストラリアでも洪水が発生し、気象災害や新興国の食料需要増などの影響もあって、世界の食料価格指数は上昇し、2011年1月には過去最高値を更新してしまいました。
そばが不作であったウクライナやカザフスタンは、2010年にそばの輸出を制限しました。
この時期、ロシア、ウクライナは、中国から大量のそばをスポット買いしたと言われています。

その結果、国内需要を満たせない日本をはじめとしたそばの消費国は、中国からの輸入に依存さざるを得なくなりました。中国の産地の中には、ロシア向けにそばの調製施設を建設した所さえあるとさえ言われました。
中国から日本に輸入されるそばの価格は大幅に上昇し、特に、2010年11月・12月には玄そばのCIF 価格(Cost(価格)&Insurance(保険料)&Freight(運賃)で、いわゆる貿易取引価格)はアメリカのそれを上回り、抜き実のCIF 価格も、その年の初めに比べて2倍以上上昇しました。

2010年(平成21年)の玄そばの輸入実績は70,265tで、中国は51,788t、アメリカは16,870t、抜き実の輸入実績は29,416t(玄そば換算で38,756t)とされています。
その後、中国への依存率は低下してきてはいるものの、日本は相変わらず、国内総需要の99% 以上を中国、アメリカ、カナダの3国からの輸入に依存しています。

日本人はそば好きで、日本をそば大国と思っていたわたしたちは、国内産そばの少なさに驚かされると同時に、今後の国内需要を考えたときに、限られた3国からの輸入に大きく依存している事実に、一抹の不安を覚えてしまいます。