かえしと出汁(だし)~そばつゆ

そばそのものがどんなに美味しくても、つゆがまずければ何にもなりません。冷たいそばにしても、温かいそばにしても、 そばと汁とは一対で味の評価となるべきものと言えます。

そばつゆを作るには、まず「かえし」と「出汁(だし)」を別々に作ることになります。
「だし」に寝かせておいた「かえし」を注ぎ入れることで作ります。

つけそば用のそばつゆの場合には、かえしを濃く、だしで割ります。これを辛汁(からつゆ)と呼びます。
また、かけそば用の温かいつゆの場合には、薄めにだしで割ります。これを甘汁(あまつゆ)と言います。

■「だし」の作り方

だしの多くは、昆布と鰹節(かつおぶし)で作られます。
鍋に水と昆布を入れ、弱火で煮出し、昆布は沸騰する前に取り出します。
そして、鰹節を入れ、湯の中で鰹節を泳がせるようにして、中火で約30分位煮立てて作ります。あくが表面に浮いてきたら、お玉などですくい取り、 最後に目の細かい布巾などで濾(こ)して、他の鍋などに移し変えて出来上がります。

鰹節の種類には、大き目のカツオの背または腹で作られた本節と、小さめのカツオの3枚おろしを用いた亀節(かめぶし)とがあります。亀節を煮て、いぶして作った荒節の表面を削り、黴(かび)付けを行った枯節(かれぶし)を用いることもあります。
さらに鰹節の中には、宗田節(そうだぶし)と言って、一般的な鰹節より血合いの多いものもあり、濃厚なだしとなるため、これをもり汁のだしに用いることもあります。
ちなみに西日本では、この宗田ガツオのことを「目近(メジカ)」と呼んでいます。

また、かけそばの場合には、カツオの代わりに、甘みのある濃厚なだしのとれるサバを用いた鯖節(さばぶし)を用いることもあります。
さらに温かいそばであるかけそばの場合には、豚肉や野菜などを利用して、汁を作る場合もあります。

■「かえし」の作り方

材料は醤油に砂糖、みりん(場合によっては日本酒)ですが、店ごとに作り方によって、次の3種類に分けられます。

○本かえし - しょう油を加熱し、砂糖、みりんを加えます。

○生がえし - 砂糖、みりんを加熱して、水飴状にして、しょうゆ油を加え、混ぜ合
わせます。

○半生がえし - 少量の醤油を加熱して砂糖、みりんを加えた物を、しょう油に混ぜ
合わせます。

そばそのものの味と並んで、「かえし」は、「だし」以上に店の味の決定打となることから、作り方を秘伝としている店も多くあります。